タイ語では複数の動詞を接続詞なしで並べ、移動の目的、動作の順序、方向、結果、試行、使役などを表すことがあります。これを学習上連続動詞・動詞連続として扱います。ไปซื้อของ(パイ・スー・コーン)は「買い物をしに行く」、เอาไปให้เขา(アオ・パイ・ハイ・カオ)は「それを持って行って彼に渡す」です。
日本語では「~しに行く・~してみる・持って行く」のように助詞や補助動詞を使いますが、タイ語では動詞を意味の流れに沿って並べます。すべての動詞を自由に連結できるわけではなく、主語の共有、動作の順序、目的語の位置を確認します。
代表的な連続動詞
| 構造 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 移動+目的動作 | ไปซื้อของ(パイ・スー・コーン) | 買い物をしに行く |
| 来る+目的動作 | มาช่วยทำงาน(マー・チュアイ・タムガーン) | 仕事を手伝いに来る |
| 取る+移動+与える | เอาไปให้เขา(アオ・パイ・ハイ・カオ) | 持って行って彼に渡す |
| 試す+動詞+ดู(ドゥー) | ลองกินดู(ローン・ギン・ドゥー) | 試しに食べてみる |
| 動詞+方向 | เดินเข้าไป(ドゥーン・カオ・パイ) | 歩いて中へ入る |
| 動詞+結果 | ทำเสร็จ(タム・セット) | やり終える |
ไป(パイ)+動詞|~しに行く
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| ไปซื้ออาหาร(パイ・スー・アーハーン) | 食べ物を買いに行く |
| ไปกินข้าว(パイ・ギン・カーオ) | 食事をしに行く |
| ไปทำงาน(パイ・タムガーン) | 仕事へ行く・働きに行く |
| ไปพบลูกค้า(パイ・ポップ・ルーク・カー) | 顧客に会いに行く |
| ไปเรียนภาษาไทย | タイ語を勉強しに行く |
ไป(パイ)の後ろの動詞が移動の目的を示します。場所を明示する場合はไปตลาดซื้อของ(パイ・タ・ス・ン)、ไปซื้อของที่ตลาด(パイ・ス・ン・ティー・タ)など、情報の焦点に応じて組み立てます。
มา(マー)+動詞|~しに来る
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| มาทำงาน(マー・タムガーン) | 仕事をしに来る |
| มาช่วย(マー・チュアイ) | 手伝いに来る |
| มาหาเพื่อน(マー・ハー・プアン) | 友達を訪ねて来る |
| มาเรียน(マー・リアン) | 学びに来る |
| มารับของ(マー・ラップ・コーン) | 物を受け取りに来る |
ไป(パイ)とมา(マー)は話し手・基準地点から離れるか近づくかを示します。日本語訳の「行く・来る」だけでなく、会話の視点を確認します。
เอา(アオ)+物+ไป(パイ)/มา(マー)+動詞
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| เอาหนังสือไปให้เขา(アオ・ナンスー・パイ・ハイ・カオ) | 本を持って行って彼に渡す |
| เอาอาหารมาให้(アオ・アーハーン・マー・ハイ) | 食べ物を持って来て渡す |
| เอาเอกสารไปส่ง(アオ・エーッカサーン・パイ・ソン) | 書類を持って行って提出する |
| เอารถมารับ(アオ・ロット・マー・ラップ) | 車で迎えに来る |
| เอาไปใช้(アオ・パイ・チャイ) | 持って行って使う/それを使う |
เอา(アオ)は「取る・持つ・選ぶ」など広い働きを持ち、目的語はเอา(アオ)の後ろに置かれます。方向のไป(パイ)/มา(マー)、その後の目的動作という順で意味が展開します。
ลอง(ローン)+動詞+ดู(ドゥー)|~してみる
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| ลองกินดู(ローン・ギン・ドゥー) | 食べてみる |
| ลองใช้ดู(ローン・チャイ・ドゥー) | 使ってみる |
| ลองถามเขาดู(ローン・ターム・カオ・ドゥー) | 彼に聞いてみる |
| ลองทำอีกครั้งดู(ローン・タム・イーク・クラン・ドゥー) | もう一度やってみる |
| ลองคิดดู(ローン・キット・ドゥー) | 考えてみる |
ลอง(ローン)は試す意図、ดูは結果を見てみるニュアンスを加えます。ลอง+動詞だけ、動詞+ดู(ドゥー)だけでも文脈に応じて使われます。
ช่วย(チュアイ)+動詞|手伝う・依頼
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| ช่วยทำงาน(チュアイ・タムガーン) | 仕事を手伝う |
| ช่วยเปิดประตู | ドアを開けてください |
| มาช่วยตรวจสอบ(マー・チュアイ・トルアットソープ) | 確認を手伝いに来る |
| ช่วยเอาไปให้เขา(チュアイ・アオ・パイ・ハイ・カオ) | それを彼へ持って行ってください |
ช่วย(チュアイ)+動詞は実際に手伝う意味と、依頼を柔らかくする働きがあります。主語・相手関係・文末詞から判断します。
ให้(ハイ)+人+動詞|~に~させる・してもらう
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| ให้เขาทำ(ハイ・カオ・タム) | 彼にさせる/彼にしてもらう |
| บอกให้เขามา(ボーク・ハイ・カオ・マー) | 彼に来るよう伝える |
| ขอให้คุณส่งไฟล์ | ファイルを送ってください |
| อนุญาตให้เข้า(アヌヤート・ハイ・カオ) | 入ることを許可する |
| ทำให้เข้าใจ(タム・ハイ・カオチャイ) | 理解させる・理解につながる |
ให้(ハイ)は与える、使役、依頼、結果など複数の働きを持ちます。前後の動詞と主語を確認します。
方向動詞を重ねる
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| เดินเข้าไป(ドゥーン・カオ・パイ) | 歩いて中へ入って行く |
| วิ่งออกมา(ウィン・オーク・マー) | 走って外へ出て来る |
| ยกขึ้นมา(ヨック・クン・マー) | 持ち上げて来る/上げる |
| วางลง(ワン・ラ) | 置いて下ろす |
| กลับไปทำงาน(グラップ・パイ・タムガーン) | 仕事へ戻る |
เข้า(カオ)・ออก(オーク)・ขึ้น(クン)・ลง(ロン)・กลับ(グラップ)などが動きの方向・結果を示し、ไป(パイ)・มา(マー)が話し手からの方向を補います。
動作の順序
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| เปิดอ่าน(プート・アーン) | 開いて読む |
| หยิบมาดู(ハ・イ・マー・ドゥ) | 手に取って見る |
| นั่งกินข้าว(ナン・ギン・カーオ) | 座って食事する |
| ยืนรอ(ユーン・ロー) | 立って待つ |
| กลับบ้านนอน(グラップ・バーン・ノーン) | 家へ帰って寝る、文脈 |
前の動詞が姿勢・準備・移動、後ろの動詞が中心動作になる場合があります。ただし、時系列なのか同時動作なのかは動詞の意味で判断します。
主語が同じか確認する
| 文 | 主語関係 |
|---|---|
| เขาไปซื้อของ(カオ・パイ・スー・コーン) | ไป(パイ)とซื้อ(スー)の主語はเขา(カオ) |
| ฉันให้เขาไปซื้อของ(チャン・ハイ・カオ・パイ・スー・コーン) | ให้(ハイ)の主語はฉัน(チャン)、ไป(パイ)・ซื้อ(スー)の主語はเขา(カオ) |
| แม่บอกลูกให้กลับบ้าน(メー・ボーク・ルーク・ハイ・グラップ・バーン) | บอก(ボーク)の主語はแม่(メー)、กลับ(グラップ)の主語はลูก(ルーク) |
| เขามาช่วยฉันทำงาน(カオ・マー・チュアイ・チャン・タムガーン) | มา(マー)・ช่วย(チュアイ)の主語はเขา(カオ)、ทำงาน(タムガーン)は文脈で共同 |
連続動詞では途中で意味上の主語が変わる構造があります。人を表す名詞・代名詞の位置を確認してください。
否定・時制・進行を加える
| タイ語 | 意味 |
|---|---|
| ไม่ไปซื้อ(パイ・マイ・スー) | 買いに行かない |
| ไปไม่ซื้อ(パイ・マイ・スー) | 行くが買わない、特殊な対比文脈 |
| จะไปซื้อ(ジャ・パイ・スー) | 買いに行くつもり |
| กำลังไปซื้อ(ガムラン・パイ・スー) | 買いに行く途中 |
| ไปซื้อมาแล้ว(パイ・スー・マー・レーオ) | 買いに行って戻ってきた/買ってきた |
否定やจะ(ジャ)・กำลัง(ガムラン)がどの動詞へ掛かるかで意味が変わります。基本は連続動詞全体の前へ置き、一部だけを否定する場合は文を分ける、接続詞を使うなどして明確にします。
連続動詞と接続詞の違い
| 形 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 連続動詞 | ไปซื้อของ(パイ・スー・コーン) | 一つのまとまった出来事 |
| และ(レ) | ไปตลาดและซื้อของ(パイ・タ・ラ・ス・ン) | 二つの動作を並列 |
| แล้วก็(レーオ・ゴー) | ไปตลาดแล้วก็ซื้อของ(パイ・タ・ラ・カ・ス・ン) | 順序を明示 |
| เพื่อ(エ・ウ) | ไปตลาดเพื่อซื้อของ(パイ・タ・エ・ウ・ス・ン) | 目的を正式に明示 |
作り方の手順
- 中心動作を決める
- 移動・姿勢・準備・試行・方向などの補助動作が必要か判断する
- 実際の動作順に近い順序で動詞を並べる
- 目的語を対応する動詞の後ろへ置く
- 途中で主語が変わるなら人を明示する
- 曖昧ならและ(レ)・แล้วก็(レーオ・ゴー)・เพื่อ(エ・ウ)を使って分ける
よくある間違い
- 日本語の動詞順をそのまま使う:タイ語の動作順・視点を確認する。
- どんな動詞でも自由に並べる:定着した組み合わせを覚える。
- ไป(パイ)とมา(マー)を場所だけで選ぶ:話し手の基準地点を見る。
- ให้(ハイ)の後ろの主語を見落とす:誰が次の動作をするか確認する。
- 否定の範囲を曖昧にする:必要なら接続詞や別文を使う。
まとめ
タイ語の連続動詞は、ไปซื้อ「買いに行く」、มาช่วย(マー・チュアイ)「手伝いに来る」、เอาไปให้「持って行って渡す」、ลองทำดู「やってみる」のように、移動・目的・方向・試行・結果を動詞の並びで表します。動作順、主語、目的語、否定の範囲を確認し、曖昧なら接続詞で分けてください。
参考情報
- Northern Illinois University SEAsite:A Profile of the Thai Language
- Northern Illinois University SEAsite:Thai language resources
- タイ王立学士院辞典
復習チェック
表を見ずに中心語の意味と語順を説明し、日常会話で使う例を三つ作ります。場所、接続、動詞連続、類別詞、数字は日本語の助詞・語順・助数詞をそのまま移さず、タイ語の構造に沿って確認してください。

